今回は、著者:印南 淳史の「遅読家のための読書術」の書評レビュー記事です。
- 本を読むのが遅いせいで、本を読む気が起こらない人
- 読んだ内容が頭に入らないと感じている人
どんな本?
本を読むのが遅いと感じている人、通称「遅読家」にとって読書に時間が取られてしまうことは、読書そのもののやる気を失う原因となることがあります。
この本の著者も昔は「1ページ5分」かかっていたようですが、この本で書かれているフロー・リーディングの習慣によって、今では「年間700冊以上」読むウェブ書評家になることができたそうです。
一般的な速読指南書のごとく速読のテクニック満載というより、流し読みをしながらでも知識を吸収できる、「正しい読み方」を身につける本になっています。
3ポイント要約
- 正しい流し読み、いわゆるフロー・リーディングの考え方で本の知識を吸収する
- 読み飛ばすなら、小見出し単位
- 書くことを前提に読んでみる
順に解説していきます。
正しい流し読み、いわゆるフロー・リーディングの考え方で本の知識を吸収する
この本では、「すべてを頭に叩き込むことを前提とした読書」ほど無駄になるもはないと言っています。
あなたは、あなたが影響を受けたと思える本のうち、その本の中身をどれくらい正確に覚えていますか?
正直、繰り返し主張されているような重要となる語句(ワード)しか思い出すことができません!
結局、本の内容をすべて吸収しようとする行為は、不可能な行為と言えそうです。
それなら、書かれていることの「100%」を写しとることではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」と考えること。
それが読書の本当の価値と言える、と書かれていました。
そして、著者の提唱するフロー・リーディングとは、「ため込もうとしない読書」を目指した考え方になります。
「ストック」するというこだわりを捨て、本の内容を自分にさっと流し込むような感覚が重要になってくると。
それが、多読生活への第一歩と述べられています。
フロー・リーディングにおける流し読みのテクニックとして、次の3つが紹介されています。
- 商品差別化のために挿入された「著者の自分語り」
- 理論や主張を裏づける「個別の事例・体験談」
- 期待・危機をあおる「過剰すぎる表現」
具体的なテクニックについては、ぜひ本書でお読みください^^
読み飛ばすなら、小見出し単位
読み飛ばしは、本を早く読む際の重要なポイントとなります。
この本では、小見出しをうまく活用することを勧めていました。
最初に目次が書かれていますのでそれを見て確認してもいいですし、読み進めていく過程でも大抵目立つように書かれているので分かりますね。
飛ばしたら、話の流れが分からなくなるように感じるかもしれませんが、ビジネス書などは、小見出しを読んでいくだけでも結構話の流れがつかめたりするものであるそうです。
次に説明するポイント「書くことを前提に読んでみる」と組み合わせることで、漠然と読むより明らかに吸収できている感覚はありました。
もちろん、内容が難しいものであったり、小説や漫画などストーリー性のあるものは適していませんのですべてに当てはまるわけではないです。
書くことを前提に読んでみる
書くことを前提に読むと、以下のメリットがあるそうです。
- 熟読に縛られなくなる
- 読むときの「視点」が得られる
まあこれは、著者が書評家を仕事としていることも大きいかもしれませんし、僕も最近はツイッターやブログなどを通じて、アウトプットによって知識は整理されることを知りましたので大いに納得できました。
それでも、この本をなんのために読むのかといった「目的」を持って読むことは、大事なことを吸収できる結果につながると思います。
1%のめぐり合いを目指そう
僕は昔、めったに本を読まなかったので、久々に本を読むときは、
「せっかく購入した本だから隅々まで読んで吸収しないと勿体ない」
という、「勿体ない精神」が働いて読むのにすごく時間がかかっていました (もちろん、内容は覚えていません) 。
先ずは、「熟読の呪縛」から解放されること。
遅読から抜け出すためだけでなく、読書の本当の価値に気づける大切な考え方といえます。
遅読家のための読書術 まとめ
この本を読んでいるときに、妻マミーに言われたことがあります。
言われてみれば確かにそうで、本の内容なんてある程度は把握できちゃう時代です。
それでも、自分にとってためになるところや新たな価値観を探し出すための「サーチ力」は身に付くと思いますし、それが僕にとってはあえて本を手に取ることの面白さになっているかもしれません。
あなたの忙しい毎日にも、本が存在することを願っております^^
- あなたが読みたいと思って購入した本が家で眠っていませんか?
- その本を手に取り、一番気になった小見出しのところを読んでみましょう
- そこで学んだことをメモやTwitterなどでアウトプットしてみましょう
本書が気になった方がいらっしゃいましたら、コアラは大変うれしいです^^
時間管理術について研究しています。